新型コロナウイルス感染症関連後遺症

　新型コロナウイルス感染症は発症してから数週間～数か月経過しても様々な症状が続くことが知られており、その症状は時間の経過とともに改善する場合もあれば、人によっては長期間に及ぶことがあります。また同様の症状がワクチン接種後に遷延することがあるようです（ワクチン接種後症候群[Post-Vaccination Syndrome:PVS]）。

後遺症患者の対象

　COVID-19感染後の後遺症患者様とワクチン接種後の「遷延する症状」（ワクチン接種後症候群）を訴える患者様を対象にしています。ワクチン接種後症候群はワクチン接種後に亡くなられた方（ほとんどが因果関係が認められていません）、ワクチン接種後に特定の疾患を引き起こした方、検査では異常がなくても症状のみを呈する方、全く無症状の方、がいらっしゃいます。治療の対象は亡くなった方以外のワクチン接種者全員です。
　接種の影響は長期的に存続し、現時点でそれが消失することを確認した症例はありません。それが継続している以上、副反応は起こりえます。副反応は接種直後のみに起きるだけではありません。数か月～数年経過してからも新たなことが次々と起こりうる危険性があります。更なる問題点は、体調不調の原因の候補として接種を考える患者様も医師も少ないということです。症状の有無にかかわらず、接種者は治療が必要であることをご理解ください。
　感染後後遺症とはワクチン非接種で感染後に後遺症を呈した患者様のみです。一度でもワクチン接種をした患者様はたとえ感染後に症状を呈しても感染後遺症ではなく、ワクチン接種後症候群として扱わせていただきます。なぜなら接種によって生体の反応が変化しているからです。その影響は消失するのか、いつまで可逆的であるのか、不可逆的であるのかはまだわかりません。従って、早期に対応しておくべきであろうと考えます。
　感染後遺症とワクチン接種後症候群は、程度や持続性の差はありますが同様の症状が出現します。しかし感染後遺症に比べて、ワクチン接種後症候群では多くの手段を駆使しなければならなく、時間もかかります。短期的に起きた症状は軽快させることは可能ですが、この先起きてくる中長期的な副反応を解決できるかどうかは今のところはわかりません。感染後遺症は症状が消失すれば治療終了ですが、ワクチン接種後症候群は中途半端な治療で終了すると症状が再発したり、別のことが起きたりする危険性があります。医師の指示に従って、しっかり治療を継続することをお願い申し上げます。特にワクチン接種後症候群の患者様は定期的に検査の必要があり、治療が長期に及ぶことが予想され、経済的な負担も大きくなりますことを事前にご承知おき下さい。