自由診療(栄養療法外来、後遺症外来を受診希望の方は必ず事前に読んでください) 脳神経外科おたる港南クリニック

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自由診療(栄養療法外来、後遺症外来を受診希望の方は必ず事前に読んでください)

「自由診療」という言葉を聞くと、美容形成外科や美容皮膚科をイメージされる方が多いと思います。「何か高額な料金がかかりそう」と思われるでしょう。確かに事実です。なぜなら医療機関を受診して公的医療保険を利用すると、実際にかかった費用のうち0~30%のみが患者様負担額となり、それが窓口で請求される金額になります。つまり、残りの100~70%は公的医療保険で負担しているのです。

では、なぜ自由診療ということが行われるのでしょうか?第一に、病気でないものを治療したり、改善したりするために医療行為を行うことが挙げられます。これが美容関係の医療機関で行われています。公的医療保険はあくまでも病気で困っている患者様が医療機関を受診するためにあるものです。日本は国民皆保険で、このシステムは世界ではトップを誇る優れたものです。私は20年以上前にアメリカに在住していたのですが、歯科治療を受けた時にとんでもない高額の請求をされました。日本から出て初めて、日本の公的医療保険のありがたさを実感しました。第二に、公的医療保険には一定のルールがあり、それに則って検査や治療を行わなければなりません。従って、それを逸脱することができないという制限があるのです。検査を行うのには、医師がどんな病気を疑い、どんな検査をするのかという合理性がなければならないのです。そして、それには細かなルールがあります。従って、それを逸脱しなければならない時には公的医療保険を使うことができないのです。

当院においては、オーソモレキュラー栄養療法の診察の際には「自由診療」で行わせていただいております。なぜなら、対象としているのは「疾患」ではなくて、「栄養障害」だからです。使用するサプリメントは保険診療では使用することが認められていません。また、新型コロナウイルス感染症関連後遺症外来でも「自由診療」で行わせていただいております。これは疾患です。でも、当院では自由診療にさせていただいております。その理由として、第一に血液検査が挙げられます。まず診察時に血液検査を行うのですが、一般的な医療機関で行うスクリーニングの項目では異常を見つけることができない項目もチェックしています。それらの項目は公的医療保険の対象外となっているため、自由診療でやらざるを得ないというのが現状です。後遺症患者様の中には色々な医療機関で診察した際に全く異常がありませんでしたと言われる方が多いです。それは保険適応内のみの血液検査を行っているということが一因です。当院で行っている特殊な採血項目は、一般的な検査料とは異なり検査センターに支払う金額も高額になっているのです(かなりディスカウントをお願いしているのですがそれでも高いです)。第二に、当院では治療の中心が「医薬品」ではなく、「サプリメント(栄養補助食品)」を用いているからです。公的医療保険では「サプリメント」は処方できません。

「グルタチオン」という栄養素があります。これはアミノ酸が3つ連なったトリペプチドで、我々の体内に元々存在しているものです。日本では日本薬局方に収載された医薬品として使用されています。注射液と錠剤があり、効能効果は「薬物中毒、アセトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)、慢性肝疾患における肝機能の改善 ……」と使用できる対象疾患が決められていて、保険ではこれ以外の使用は認められません。用法用量は「通常成人には、グルタチオンとして1回100〜200mgを溶解液にて溶解し1日1回筋肉内又は静脈内に注射する。」と決められています。グルタチオンは「新型コロナウイルス感染症関連後遺症」の治療に必須です。ところが、健康や美容の維持に有用であるとして海外ではサプリメントとして販売されていますが、日本では医薬品扱いであるため、医師以外は処方できず、日本の事業者がサプリメントとして販売することはできません。販売行為を行うと「医薬品医療機器等法(薬機法)」違反になります。そして、国は「感染後遺症」は認めているのですが、「ワクチン後遺症」は認めておりません。「ワクチン接種後に遷延する症状」と表現し、時系列的に接種後に起きることは認めているのですが、因果関係は認めていないためです。ですから、保険診療で「ワクチン後遺症」と診断してグルタチオンを治療に用いることは現時点ではできないのです。仮に使用が認められるにしても、現状は医薬品であるため、臨床治験を行って有効性や安全性を確認したあとで認可されるため、通常年単位の時間が必要となります(ところが昨今の遺伝子新薬は臨床治験が終わっていないに関わらず、開発して短期間で全人類に投与され始め、今でも盛んに推奨されております。今までの医療の常識を覆す状況に自分は不安を拭うことはできません)。仮に使用できたとしても1回200mgを1日1回しか使用できません。「ワクチン後遺症」にはその数倍の量が必要なのです。増量して使うために認可されるにはさらにまた時間が必要なのです。このような理由からも保険診療はできないのです。用量の数倍と思うと大丈夫かなぁと不安になる方もいるかもしれません。このグルタチオンの高濃度点滴は以前から美容皮膚科領域で美白・美肌目的に「白玉点滴」と言われて、使われ続けてきました。そして、用量が多くても、副作用が少ないことが確認されています。

以上の理由により、当院ではオーソモレキュラー栄養療法外来はもちろんのこと、新型コロナウイルス感染症関連後遺症外来でも自由診療のみで行っております。保険診療範囲内では限界があり十分な検査や治療ができないのです。ご負担をいただくのは大変心苦しいのですが、ご理解いただいた上で受診されることをお願い申し上げます。