アレルギー性疾患 脳神経外科おたる港南クリニック

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アレルギー性疾患

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アレルギー性疾患の増加と原因

 近年、アレルギー性鼻炎(花粉症)アレルギー性結膜炎アトピー性皮膚炎喘息などのアレルギー性疾患は増加し続けています。

アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息の有病率

『東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』
小柳津広志 自由国民社より

 20年ほど前のアレルギー性鼻炎の有病率は30%です。ここにアトピー性皮膚炎や喘息を加えるとその有病率は50%を超えます。60年以上前の1960年代にはほとんどなか ったのに、です。なぜ、このようなことが起きてきたのでしょう?多くの原因があると思われますが、それらは以下の3つに大きく分類されます。

 ヒトの身体には「免疫」という、外部からの侵入物を排除する仕組みが備わっています。免疫担当細胞は全て骨髄で作られ、脾臓に蓄えられ、その後に全身のリンパ組織に移動します。リンパ球の中で胸腺を通過したものはT細胞となります。T細胞はリンパ系、血液系、組織を巡回し、更に様々なT細胞に分化して、外部からの侵入物質や異常細胞を見つけて攻撃する役目を持っています。
 食物は身体にとっては外的異物です。毎日、食べ物を口から摂り、消化吸収し、排泄していますが、外的異物であるのに、消化管粘膜ではアレルギーを起こさないようになっていて、これを「免疫寛容」と呼びます。
 アレルギー性疾患は、免疫細胞が本来、味方である自己の細胞を攻撃することによって起こります。つまり、アレルギー性疾患は免疫の暴走です。自己の細胞を攻撃しないために、自己と異物を識別してくれる免疫寛容を担っている細胞を制御性T細胞(Tレグ細胞)といいます。全身をめぐるT細胞は大腸にて、制御性T細胞(Tレグ細胞)に分化します。制御性T細胞(Tレグ細胞)は免疫の暴走を抑制してくれる機能を持っています。従って、大腸に問題がある場合にはその機能が狂ってしまうことになります。
 大腸には多数の様々な常在菌が存在します。様々な花が咲いている様子に例えて、「腸内フローラ(細菌叢)」と言います。昨今、「腸内フローラ」は大腸の機能のみならず、全身の身体の機能を司る臓器として研究が進みつつあり、特に免疫機能に及ぼす役割は重要視されています。その大腸の機能を狂わせてしまう原因として、食生活の変化が関与しています。

 リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)と呼ばれている病態があります。これは医学的には認められていない仮説上の疾患なのですが、栄養療法の分野ではこの理論で説明しうる病態があるのでよく使われています。様々なストレス(精神的ストレス、不適切な食生活、腸管に侵入する細菌やウイルスや毒素、薬剤、食品添加物など)が原因で、腸管粘膜に炎症を引き起こし、腸管の細胞を傷害します。その結果、腸管粘膜の細胞と細胞の結合部位(タイトジャンクション)が緩み、本来は体内に侵入しないはずのものが侵入してしまうことで、体内に炎症を引き起こしたり、免疫機能障害を引き起こしたりすることになるのです。小麦に含まれる「グルテン」、牛乳に含まれている「カゼイン」はリーキーガット症候群の原因となり、全国民的に生じている「ビタミンD不足」、「糖質過剰摂取」、「薬剤」、「食品添加物」もまたリーキーガット症候群の一因です。様々な外的異物が消化管粘膜でブロックされずに体内に侵入しやすい状況になるわけです。現代社会では、様々な物質が人体に悪影響を及ぼしているのです。
 また、細菌感染の治療として用いられている「抗生物質」は腸内フローラの構成を乱します。もちろん、抗生物質は医療には必要不可欠なものですが、必要な状況下で最低必要限に使われることが大切です。しかし、現代医療では必ずしも適切な使われ方ばかりではないのが現状です。
 このように様々な原因により、本来備わっている免疫機能が十分に発揮できないことを原因として、アレルギー性疾患が増加してきているというわけです。

     

保険診療におけるアレルギー性疾患治療

 アレルギー性疾患の保険診療での一般的な治療は対症療法です。つまり、根本的な問題を解決しているのではなく、症状を医薬品で抑えているだけなのです。ですから、たくさんの医薬品を長期的に使っても、根本的に治癒するということはありません。
 保険診療ではアレルギーの原因となっている原因物質(アレルゲン)を特定し、それを避けることを指導されることが多いようです。多くは目に見えるわけでありませんから、アレルゲンを回避するということは不可能です。つまり、保険診療ではアレルギーを起こしやすくしている身体を改善するという対策はしていないわけです。最近は専門医では「アレルゲン免疫療法」と言って、アレルゲンを投与することで、身体に慣れてもらうという方法も行われているようです。アレルギー体質の身体に体質を改善することなく、そのアレルゲンを投与するという方法はリスクがあります。

     

オーソモレキュラー栄養療法によるアレルギー性疾患治療

 現代人は多くの人が質的栄養失調状態にあり、全身の細胞の機能を十分に発揮できていません。それにより、様々な不定愁訴を感じたり、疾患に罹患してしまったりしています。
 免疫の暴走であるアレルギー疾患の原因は、正常な免疫機能を発揮できていないことにより生じます。食生活の改善に加え、不足している栄養素を補充すること、悪影響を及ぼしている外的要因を排除することにより、細胞の機能を回復し、本来、身体が持っている免疫機能を正常化することにより、アレルギー性疾患の根本治療を行います。

オーソモレキュラー栄養療法によるアレルギー性疾患の治療はこのような方にお勧めします。

  • アレルギー性疾患の治療を何年にもわたり、長期的に治療していて、薬を離すことができない。

  • いろいろなアレルギー専門クリニックを受診して、保険診療の治療を受けても思うような改善がみられない。

  • あちこち別のクリニックを受診しても治療はあまり変わらず、似たような薬を処方される。

  • 保険診療での対症療法ではなく、根本的な治療を受けてみたい。