COVID-19の感染経路 脳神経外科おたる港南クリニック

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COVID-19の感染経路

 今までのブログは一つの論文をもとにその解説をしてきました。今回のブログは一つの論文のみではなく、多くの論文を読破し、自分がこの3年間に蓄えてきた知識をもとにした持論展開シリーズになります。もちろん科学的根拠をもってのお話しです!

 14世紀に起きたペストの大流行では、世界人口の約22%が死亡したと推計されています。17世紀には瘴気論により、感染源とみなされていた悪性の空気から身を守るために上図のような衣装を身に着けていた「ペスト医師」がいました。致死率の高いペストであるなら、気持ちはわからないわけではありませんね。でも、今はコロナウイルスですよ。しかもSARSやMERSのように致死率が高くありません。そんなことは日本で感染が拡大し始めた2020年夏には明らかになっていました。
 テレビで、スーパーコンピューターの富岳で作られた飛沫がばらまかれる映像を観せられました。メディアは国民に必要以上の恐怖感を植え付け、科学的に感染予防効果が認められていないマスクを半強要したのです。そして、それ以外の、目に見えない感染対策をしても批判され、マスクをすることは外から見えるので正義としたのです。そして、それを常識だとか思いやりだとか、日本人の気性をくすぐって正当化し、マスクをしていない人を悪者と仕立て上げたのです。自分なんか、何度悪者になったでしょうか(笑)。人の何倍も勉強して、お金をかけて、ありとあらゆる目に見えない感染対策を徹底したのですが(笑)。
 ウイルスの大きさは0.1μmです。一般的な不織布マスクの穴はその50倍にあたる5μmです。つまり、ウイルスそのものは不織布マスクを容易に貫通するのです。ところが、飛沫は5μm以上なので、感染者がマスクをすることにより、ウイルスを含んだ飛沫をマスク外に散乱させないことはできるのです。非感染者にとっては感染者が飛ばした飛沫をマスクでブロックすることはできます。しかし、そのマスクの表面にはたくさんのウイルスを含んだ飛沫が付着します。皆さん、平気でマスクの外側を触りますよね。その手で他のものを触ることで知らず知らずのうちにウイルスを拡散させているのです。またマスクの外側に付着した飛沫は乾燥して水分が蒸発するとウイルスだけになります。不織布マスクの穴の大きさは先ほども述べたようにウイルスの大きさの50倍です。水分が蒸発した飛沫はウイルスだけになるので、呼吸と共に簡単にマスクの中に入ってきます。これって、逆効果ではありませんか?
 これが、マスクは非感染者が感染予防のためには無効どころか有害であるという理由です。鳥かごの中の鳥を外に逃がさないことはできるのですが、ハエは簡単に鳥かごの中に入ってくるのです(ちなみにPM2.5は2.5μm、黄砂は10μm、花粉は30μm、です。つまり、マスクは飛沫、黄砂、花粉は貫通できません。黄砂や花粉対策には大変有効です。)。COVID-19は発症2日前から感染力があると言われています。その時期に感染している可能性があるから、非感染者もマスクをするべきであるという反論もあります。一理ありますね。しかし、それは飛沫に限ることなので、全体からみると小さな話なのです。
 世の中の風潮として、コロナウイルスの感染経路をどうしても「人→人」のスキームを作り上げようとしている様が見えます。そうすれば全ての責任を感染者に押し付けられるからでしょう。感染したものはその行動が悪いために感染したという構図が完成するわけです。そして、その間に介在するものを認めたくない。もちろんウイルスは人など他の宿主に間借りしないと生存できないし、増殖できません。しかし、一時的であれば無機質の上でも生存できます。インフルエンザは数時間で不活化しますが、今回の新型コロナウイルスはかなり長期的に(数週間)生存できることがわかっています。そこがこのウイルスの厄介なところです。つまり、誰もいない机の上に存在するウイルスが数日後に人に感染するわけです。つまり、「人→物→人」の感染を重視しなければなりません。これを「接触感染」と言います。これがCOVID-19のメインの感染経路なのです。
 机の上においてあるアンパンの上にある感染者がウイルスをばらまいたとします。アンパンの上にあるウイルスはややしばらく生存し、誰もいないそこに非感染者が訪れて、そのアンパンを食べたら感染する可能性があるということです。ウイルスの付いたアンパンを食べてしまった時点で、「人→物(アンパン)→人」の接触感染が成立し、人同士がどんなに頑張ってソーシャルディスタンスなるものを取っていても感染してしまうというわけです。これだけCOVID-19が全世界中に蔓延している状態ではどこにでもウイルスは物の上で存在しています。「自分は感染対策をきちんとしていたのに、どこで移ったのかわからない。」という話を耳にします。飛沫やエアロゾールが感染の主経路であると思い込まされて、本当の感染経路を理解していないからです。COVID-19において感染経路として、最も考えなくてはならないのは「接触感染」なのです。
 このことを理解してもらった上で、COVID-19はどのような経路で感染していくのか考察していきます。武漢株~デルタ株までは「糞口感染」が主体でした(北海道医報:第1242号(2022.03.01)「COVID-19の本質は血栓症と糞口感染である!」)。ところが武漢株~デルタ株は現在、感染の主流株ではありません。現在はオミクロン株が主流です。皆さんはこの二つをCOVID-19の原因ウイルスと一色単にお考えのことと思います。しかし、この二つは同じSARS-CoV-2と称すれども、全く異なるコロナウイルスと考えることが必要です。その理由として、まずはこの2つのウイルスは感染経路が全く異なっているということを説明します。皆さんはおそらくどっちのウイルスも風邪と同じように飛沫感染すると思い、頑張ってマスクをつけていませんか?武漢株~デルタ株ではウイルスの表面にあるスパイクタンパク質は血管壁に存在する「ACE2受容体」に親和性があります。ACE2受容体は腸管や血管内皮細胞に多く存在します。ウイルスは口腔内粘膜の無数の傷から侵入し、血流に乗って全身を駆け巡り、腸管に多く存在するACE2受容体に付着して、侵入し、そこで増殖を始めます。増殖したウイルスは糞便に排泄され、一部は更に血流にのり、全身を駆け巡り、全ての血管内皮細胞に付着し、血栓症を引き起こします。その中で最も被害の多いのは肺です。腸管で増殖して、門脈を通り、肝臓を通して、全ての血流は肺に戻ります。肺というフィルターに引っかかったウイルスが血栓症を引き起こし、間質性肺炎となるのです。ですから、口腔粘膜や鼻粘膜から肺炎を起こしたのではありません。ACE2受容体は腸管に多いので、ウイルスは糞便に多量に排出されるのです。ですから、COVID-19(武漢株~デルタ株)までの主要な感染源は糞便であり、トイレが主感染場であったのです。トイレは究極の密室でありソーシャルディスタンスなんか気にする必要は全くありません。マスクをする必要もありません。稀に2人で入る芸人さんもいたようですが(爆笑)。糞便に排出されたウイルスは個室のドアノブを始め、あちこちに付着していたのです。手を洗った後にドアがあるトイレは特に注意でした。

 一方で、オミクロン株は電荷が強くなり、ACE2受容体ではなく、喉粘膜に非特異的に結合し、エンドサイトーシスという機能を通じて、直接、喉粘膜に侵入していきます。COVID-19(武漢株~デルタ株)とは異なり、全身疾患ではなく、喉に限局するもので、これは今までの風邪症候群と同じものです。昔から「風邪は万病のもと」と言われ、どのような風邪でも二次感染を起こして、肺炎を起こす高齢者がいます。但し、同じ肺炎と言っても、COVID-19(武漢株~デルタ株)とは全く性質の異なるものです。これを理解しなければ、今回の一連のCOVID-19を理解することはできません。
 オミクロン株になってからは、喉粘膜から喉粘膜への感染で、飛沫感染の比率は比較的高くなりましたが、喉粘膜から喉粘膜に直接感染することの他に、オミクロン株にしても机や床などの無機質なものの上でもウイルスは感染力をしばらく持続していることに注意する必要があります。つまり、武漢株~デルタ株、オミクロン株すべてのCOVID-19を引き起こすウイルスは人に感染できる状態であちこちにばらまかれているのです。それらが人の行動に伴い、空気中に舞い上がります。元々は糞便に排出されたり、飛沫として飛ばされたりしたものですが、時間が経過して乾燥してウイルスだけになっています。乾燥したウイルスは皆さんの行動と共に空気中に舞います。先ほども述べたようにウイルスだけになったものは簡単にマスクを通過します。本来、空気感染する感染症は結核、麻疹、水痘の3つのみで、コロナウイルスは空気感染しませんが、似たような感染の仕方をします。空気感染と一線を画して、この状況を自分は「ウイルス散乱空気感染」と勝手に呼んでいます(もちろん、このような言葉は医学用語としては存在しません。正しくは接触感染の一部です。)。これがCOVID-19のメインの感染経路です。では、この感染経路をブロックするにはどうしたらいいかを説明します。晴れの日に学校のグラウンドで風が吹いている状況を思い浮かべて下さい。ほこりが舞っていますよね。グラウンドでほこりが舞えばどうしますか?そうです、水を撒くのです。水を撒くことでほこりに水分を含ませ、重くしてほこりを舞い上がらせないようにします。これをウイルスに置き換えてください。ウイルスが舞っている状況を抑制するためには加湿すればいいのです。毎年の全国における感染経過を見てみて下さい。5月になれば沖縄など南から感染が広がります。そして、次第に北へ上がってきます。原因は「エアコン」です!エアコンの使用と共に感染は拡大していきます。エアコンは除湿し、気流を生じさせます。その結果、机の上にとどまっているウイルスが空気中に散乱され、「ウイルス散乱空気感染」のリスクが高くなります。そして、秋になれば気温や湿度が低下してくる北海道から感染拡大が始まります。この3年間、同じパターンです。感染症専門家であれば、毎年のこの状況をみて、自然環境因子である湿度が感染拡大に大きな影響を与えていることに気づかなければならないはずです。ところが、メディアに出てくる感染症専門家は「夏休みになり、人の移動が増えたから拡大した」とか、その責任をどうしても人の行動に結び付けたい。こんなコメントなら、近所のオヤジでも言えますよね。2020年晩秋の北海道で感染が拡大した時に、さもそれが北海道人のせいであるかのように「一部の地域の人たちの気が緩んでいる。」と発言した政治家がいました。このような低レベルのコメントしか発信しかできない感染症専門家や政治家の話しか報道してこなかったメディアって、何なのでしょう?茶番劇もそろそろやめて下さい。エアコンの使用は止めることができません。そうすることによって別の問題が起きてきます。しかし、それが原因であるとしたならちょっと気に留めることはできますよね。冬は十分に加湿して下さい。これは簡単にできますね。冬の換気なんか逆効果であることは容易に理解できるはずです。つまり、世間一般で言う感染予防対策は全て逆のことをしているのですよ。だから、どんなに対策しても感染はどんどんと拡大していったのです。「ウイルス散乱空気感染」が、感染力が強いオミクロン株の感染をどんなことをしてでも回避できない理由です。ですから、人として生きている限り、いつかは高濃度曝露されて、やむなく感染してしまうのです。世間一般で言われているくだらない感染対策なんて、止めて、自分の身体の免疫力を強化することが最も大切なのです。免疫力を強化するためには、バランスよく食事をしっかり食べるとか、適度な運動をするとか、十分に睡眠をとるなどの基本的なことが大切です。しかし、もっと直接的、即効的、効果的に対応する方法は「ビタミンDと亜鉛の充足」なのですよ。

 最後にもう一度、確認します。COVID-19の感染状況は病原ウイルスの感染力と人の免疫力とのバランスによってのみ決定され、自然環境因子が大きな影響を与えるのです。その中で、ちっぽけな人間がどのように行動しようともその壮大な力学バランスに影響することなんかできません。従って、世間一般的に言われている感染対策、マスク、ビニールカーテン、アクリル板、ソーシャルディスタンスなど全く意味がないことがおわかりと思います。「ビタミンD+亜鉛」にて免疫力を強化して、自然感染を繰り返すことが最善かつ最強の感染対策なのです(ブログ:集団感染)
 今回の話は持論展開シリーズです。証拠を出せと言われても、それを示す論文はありません。しかし、この3年間に渡り、たくさんの科学論文や書籍を熟読し、そして自分自身の感染や職場での集団感染を経験し、その中で構築された持論です。しかし、小生は事実であると確信しております。納得できる人は納得して下さい。反論は受け付けません。その方は無視してスルーして下さい。よろしくお願いします。これからも私たちはCOVID-19を引き起こすウイルスとは生涯にわたり共存していかなければなりません。人として生きていくことでこのウイルスを回避することは絶対にできません。回避するためには呼吸をしないこと、口から食べ物を入れることを止めるしかありません(笑)。この先、どうやって対応すべきか自ずとわかっていくはずです。皆様方のご健康を心よりお祈り申し上げます。