脂肪酸は、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)の3種類の原子で構成され、炭素(C)が鎖状につながった炭化水素鎖の一方の端にカルボキシル基(-COOH)がついているものを言います(ブログ:脂肪酸)。脂肪酸は炭素数、不飽和度によって分類されます(ブログ:脂肪酸)。
今回は、その中で特殊な代謝動態を示す「中鎖脂肪酸(MCT:Medium Chain Triglyceride)」についてお話しします。

炭素数が6~12個の飽和脂肪酸を中鎖脂肪酸(MCT)と言います。炭素数6個のものをカプロン酸、炭素数8個のものをカプリル酸、炭素数10個のものをカプリン酸、炭素数12個のものをラウリン酸と言います。
各細胞に運ばれた脂肪酸はエネルギー産生工場であるミトコンドリアに入りますが、長鎖脂肪酸(炭素数14以上の飽和脂肪酸)がミトコンドリア内に入るためには「L-カルニチン」を運搬体として利用する必要があります(ブログ:カルニチンシャトル)。その後、脂肪酸は「β酸化」によって分解され、アセチルCoAとなります(ブログ:β酸化)。アセチルCoAはクエン酸回路に合流し、電子伝達系を経て、生体エネルギーであるATPを産生します(ブログ:ATP(アデノシン三リン酸))。
ところが、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸と異なり、L-カルニチンの介在無しにミトコンドリアに入ることができます。すなわち、ミトコンドリアの内外膜という関所を通過することなく、素通りできるので、中鎖脂肪酸(MCT)は「即効性のエネルギー源」としての役割を果たせるというわけです。
中鎖脂肪酸(MCT)を含有する食品としては、ココナツオイルやMCTオイルがあります。ココナツオイルには約60%の中鎖脂肪酸(MCT)が含まれています。炭素数が少ないカプリル酸(炭素数8)やカプリン酸(炭素数10)は比較的少なく、炭素数の多いラウリン酸(炭素数12)や炭素数14以上の長鎖脂肪酸を多く含んでいます。一方でMCTオイルは中鎖脂肪酸(MCT)が100%です。カプリル酸(炭素数8)約60%、カプリン酸(炭素数10)約40%となります。構成成分に差がある場合がありますので、購入時には注意して下さいね。炭素数が少ないものほど吸収や代謝が早いのですが、効果が消失するのも早いのです。良いところを利用して併用して使うと良いですね。大差は無いと思いますが、MCTオイルはココナツ由来とパーム核由由来のものがありますが、ココナツ由来のものは希少価値が高いので、やや高額になります。パーム核由来のものは比較的安価で購入できます。お好みと予算に合わせて選んでくださいね。
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