ATP(アデノシン三リン酸) 脳神経外科おたる港南クリニック

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ATP(アデノシン三リン酸)


 細胞の活動するエネルギーを「ATP(アデノシン三リン酸)」といいます。ATPは核酸を構成する塩基の一つである「アデニン」に「リボース」という糖が付いた「アデノシン」に化学エネルギー物質の3つのリン酸が結合したものです。

 模式的に書くとこんな感じです。ATPは分子内に2個の高エネルギーリン酸結合があり、ATPがリン酸1分子を放出すると、エネルギーが産生され、ADP(アデノシン2リン酸)、AMP(アデノシン1リン酸)へと変化します。リン酸分子が離れたり、結合したりすることで、エネルギーの放出や貯蔵を行っているのです。

 ATPは、自動車におけるガソリンのようなもので、細胞の活動において必ず使用されます。細胞は、食べ物から摂取したブドウ糖や脂肪酸を材料として、主にミトコンドリアという細胞小器官でATPを産生し、それを生体全体の細胞活動に利用しています。つまり、ミトコンドリアはエネルギー産生工場の役割をしているのです。
 1日に産生されるATPの総量は体重以上と考えられています。実際に体内に常時存在するATPは100g程度ですが、ATP⇔ADT+リン酸という回路反応を1000回以上繰り返して、必要なエネルギー(ATP)を産生しています。ATPは有酸素系、解糖系、クレアチンリン酸系という3種類の合成系があります。全体の95%が有酸素系で、ミトコンドリアで行われています。これが、ミトコンドリアが「エネルギー産生工場」と言われる所以です。

参考文献 ミトコンドリア革命 福田一典 アメージング出版