NMN 脳神経外科おたる港南クリニック

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 前稿(ブログ:NAD)にて、抗老化、若返りのためのNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)を補充するためのサプリメントとして、NMN(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)が最も有力な候補であるとお話ししました。
 細胞内に取り込まれたNMNはNAMPT(ニコチンアミド・フォスフォリボシル転移酵素)により、NADに合成されます。そして、NAMPTの活性低下が、加齢に伴うNAD低下の大きな原因であることもわかっています。NADの低下によりサーチュイン活性が低下します。サーチュインによる寿命延長効果はミトコンドリア機能を介している可能性があるようです。つまり、寿命延長や抗老化はサーチュインとミトコンドリア機能の活性化が重要な役割を果たしているということです。
サーチュイン&ミトコンドリアブースターとしてのサプリメントは以下の2つです。

   ①NMN
   ②5-デアザフラビン

 
 では、NMNにはどのような効果があるのでしょうか?ワシントン大学今井眞一郎教授の研究グループによるマウスを対象とした研究結果です。

 マウスも歳をとると次第に食事量が落ち、それでも体重は増加していきますが、NMNを投与すると食事量は落ちずに、体重も用量依存性に増えなくなったとのことです。老齢マウスにNMNを投与すると、若いマウスと同じエネルギー消費量で活動量も保たれていたとのことです。特に骨格筋ではミトコンドリアの機能が高く保たれていたそうです。そういえば若い頃は何を食べても太りませんでしたね。自分も中年になって、たいして食べていないのにどんどん太っていって、ダイエットしても効果が出にくくなったことを経験しています。
 血糖を降下させるホルモンであるインスリンが効きにくくなる状態をインスリン抵抗性と言います。インスリン抵抗性は加齢と共に低下していきます。これが進行して、血糖値を正常に保てなくなった状態を2型糖尿病と言います。NMNを投与したマウスは老齢化してもインスリン感受性が維持されていました。また血液中のコレステロール、中性脂肪、脂肪酸が低下する傾向にありました。老化により遺伝子発現パターンが変化しますが、NMNを投与することで、それが回復したとのことです。老化により、マウスの網膜に炎症性スポットが出現し、視力が低下していくようですが、NMNを投与することにより、そのスポットができにくくなり、網膜の神経細胞の機能も衰えが少ない傾向にあったそうです。その他、老化によって低下する骨密度や免疫細胞が保たれていたそうです。さらに、NMNには副作用がなく、長期投与による悪影響は認められなかったという大変重要なことも確認されました。
 このようにマウスの研究によって、NMNの様々な抗老化作用と安全性が確認され、おそらくヒトにも同様の効果があるだろうと推定されます。しかし、この先の研究は現在進行中です。

【Long-Term Administration of Nicotinamide Mononucleotide Mitigates Age-Associated Physiological Decline in Mice.】Mill KF.et.al Cell metabolism. 2016 12 13;24(6);795-806. pii: S1550-4131(16)30495-8.

 
 このようなマウスの研究から、NMNがヒトではどのような疾患に有効性が期待できるのでしょうか?

 様々な疾患の治療に期待ができそうですね。これからの若き医師や研究者がこれらを証明し、その疾患の治療に貢献していくことに大きな期待をしております。

【Therapeutic Potential of NAD-Boosting Molecules: The In Vivo Evidence.】Rajman L, et.al. Cell metabolism. 2018 Mar 06;27(3);529-547. doi: 10.1016/j.cmet.2018.02.011.

 
 では、これだけの効果が期待できるNMNをどのように補充させていけばよいのでしょうか?NMNは、枝豆(0.47-1.88mg/100g)やブロッコリー(0.25-1.12mg/100g)、アボカド(0.36-1.60mg/100g)に多く含まれています。しかし、加齢に伴い生成能力が減少してくるNMNは、食物から摂取するだけではとても足りません。NMNを100mg摂取するためには、枝豆を約8,000個、ブロッコリーでは約1,600房食べる必要があります。さすがのギャル曽根でも無理でしょう(笑)。現実的ではないため、サプリメントでNMNを摂取することしか方法がありません。
 NMNサプリメントは当初は超高額でした。しかし、最近は低価格化してきています。しかし、それでも高額です。今井眞一郎先生の著書には以下のように記載されています。「NMNはすでに、数多くの会社が製品を市場に出している状況で、大変な激戦となっているようです。値段も、安いものからとても高価なものまでいろいろです。ここで皆さんにお伝えしておかなければならないことが二つあります。一つは、世界で動物とヒトの両方で安全性が検証されているNMNは現時点(2021年4月現在)で二種類しか存在しない、そしてその二つはいずれも日本製です。もう一つは、非常に高純度、高安定性のNMNを作るのは相当難しく、そういった品質のNMNは、現時点では、かなり高価であることです。解析してみると、安い製品に使われているNMNには相当な数の不純物が入っていて、しかもその中には生体には存在しないような物質まで入っている場合があることがわかっています。ですから、NMNに興味をもった方は、十分に注意されてください。私は、高純度、高安定性で、動物でもヒトでも安全であることが検証されたNMNが、より多くの人たちの手に入るような価格で提供されるようになることを望んでいます。」
 日本製の二種類となるとだいたい見当がつきます。信頼できるNMNを一日100mg程度補給するとして、1か月分は44,000円(A社:NMN100mg)or 74,800円(B社:NMN125mg)ですね。従って、現時点では15~20円/NMN1mgが相場でしょう。つまり、信頼できるNMNを作るには現時点ではこのレベルの経費が必要であるということです。これ以外の安価なものは???ですね。NMNの1日投与量に関して、今井眞一郎教授は300~500mgが妥当であるとおっしゃっています。そうなれば、1か月分は135,000~300,000円となります。こりゃ、ホリエモン(https://www.youtube.com/watch?v=TNA811ToKjY)でもなければ飲めませんね(笑)。つまり、現時点では高純度+高安定性かつ安全性が検証されたNMNを使用することができるのは残念ながら、ごく一部の富裕層の方のみということになってしまいます。一般の方に手の届くレベルの値段ではありません。しかし、日本の科学技術は日進月歩に発展しています。一般の方にもNMNが購入できるようになるのも、そう遠くない将来であろうと思われます。安価な安全性の検証されていない「NMNと名前が付くもの」の摂取は現時点では回避することが望ましいでしょう!
 マウスの実験では、ヒトの20~30歳代に相当する若い健康体にNMNを投与しても効果は乏しく、40~50歳代に相当する中高年になってからNMNを投与することで非投与群との差が生じてきたとのことです。従って、加齢の影響を実感し始める年代で、NAD量が減少し始める40~50歳代からのNMN摂取が有効な結果を得ることが期待できるタイミングであろうと言えそうです。自分は今年、還暦になりました。残念ながら、NMNで対処するにはやや遅すぎたと思っています。そのうちに価格も安くなっていくでしょうが、自分と同世代の方々は「待っていたら、そのうちに老化して死んでしまう」と悲観してしまいますね。現時点では自分としては、ニコチンアミド(NAM)サプリメントを摂取して、加齢に伴って低下しているNAMPTの活性を高めることができれば、身体は若い頃と同様にNADを合成してくれるのではと期待しています。NAMPTという酵素の活性が加齢に伴ってなぜ低下するのか?全ての酵素がそうであるように、ミネラルやビタミンなどの補因子の不足が大きなウエイトを占めていると思います。基礎研究者がこれを突き止めてくれると高額なNMNなどを摂取する必要はありませんよね。そんなことを考えて、過去に生化学者であり、現在はオーソモレキュラー・ニュートリッション・ドクターである自分の直感で、健康長寿期待サプリメントセットを作りました。NMNのようにNADを高めて健康長寿を期待できるというエビデンスは全くありません。しかし、自分は大きな期待をしています。

健康長寿期待サプリメント:\22,000円(税抜)/1か月分

 
 5つの医療用サプリメントのセットです。これなら、現在の信頼できうるNMNの価格に比較すると、一般の方でも手の届くものでしょう。まずはこれを服用して、信頼できるNMNが低価格になった時期に切り替えるというのが得策であると考えます。
 健康長寿期待サプリメントをご希望の方は「サプリメント申込みフォーム」よりご連絡ください。それでもまだ高額だと思っている方、ビタミンDだけでも死亡率は低下しますよ(ブログ:Dr.末武が教える最高の栄養素『ビタミンD』:「D活をはじめよう!」)。まずは「D活」!健康長寿の1丁目1番地です。ビタミンDの充足無しに健康長寿はありえません。
 では、今日はこの辺で、ごきげんよう!

参考文献:【開かれたパンドラの箱 老化・寿命研究の最前線】今井眞一郎 朝日新聞出版
参考文献:【NMNの秘密】澤邊昭義 栄養書庫