帯状疱疹の疫学調査:宮崎スタディ 脳神経外科おたる港南クリニック

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帯状疱疹の疫学調査:宮崎スタディ

 今回は、「宮崎スタディ」についてお話をさせていただきます。
 「宮崎スタディ」とは、1997年より外山 望先生を中心とした宮崎県皮膚科医会による帯状疱疹の大規模疫学調査のことです。帯状疱疹の最初の疫学研究は1965年にHope-Simpsonによる帯状疱疹の最初の疫学研究が報告されており、その内容は、発症者は高齢者が多いことを報告し、水痘や帯状疱疹患者からの外因性曝露がこのウイルスの特異的細胞免疫を高めることで帯状疱疹の発症を抑制する可能性を示唆した報告でした。2002年にThomasらは水痘に罹患した子供との濃厚接触が成人の帯状疱疹の発症を抑制することを報告しました。
 ここで帯状疱疹について詳しく説明します。帯状疱疹を引き起こす原因ウイルスである水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus)は、まず、幼少期~学童期に発症することが多い水痘(すいとう:みずぼうそう)という感染症です。発熱と倦怠感に引き続き全身に発疹が出現します。通常の経過では発症から約1週間で症状は改善し治癒します。一度、水痘に罹患すると、終生免疫が獲得され、二度と水痘を発症することはありませんが、ウイルスは生涯にわたり、末梢神経の知覚神経節に潜在感染し、加齢、疲労やストレスなどによる免疫力低下が引き金となって活性化して帯状疱疹を発症します。つまり、帯状疱疹を発症するウイルスは水痘感染後の幼少期から体の中で鳴りを潜めているのです。
 水痘は、1歳以下、15歳以上、妊婦の場合は合併症を引き起こしたり、成人発症した場合には重症化したりすることがあります。帯状疱疹は痛みを伴い、回復と共に消失しますが、一部の患者様においては、帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia:PHN)と言う、皮疹が消失した後にも長期的に痛みが残存することがあります。50歳以上では約20%がPHNに移行するようで、年齢が高くなると罹りやすい傾向にあります。この痛みは強く、長期的に継続するために日常生活に支障をきたします。様々な治療によっても改善は難しいため厄介なウイルスであることが分かります。
 「宮崎スタディ」に話を戻します。2006年までの調査結果である「宮崎スタディ(1997-2006)」によれば、帯状疱疹の発症頻度は年間4.15人/1,000人で、女性が有意に多く、10代と50歳代に急激に増加し、60~70代に多い二峰性を示す年齢依存性を認めました。この中で、子育て世代の20~49歳にてやや少なく谷を形成していました。また、水痘が少ない夏には帯状疱疹が多く、水痘の多い冬には帯状疱疹が少ないという鏡像関係の季節性が示されました。
 2014年10月より、水痘ワクチンが小児の定期接種に導入されました。それにより水痘の発症数は激減し、季節性も消失しました。この水痘ワクチン定期接種化が帯状疱疹の疫学にどのような影響を及ぼしたのかを「宮崎スタディ(1997-2017)」で報告しました。

 1997年に比べ、2017年には宮崎県人口は8.3%減少しましたが、帯状疱疹発症数は54.5%増加、帯状疱疹発症率は68.1%増加しました。また季節性は消失しました。

 1997年からの全体の発症率は徐々に増加していますが、2014年10月の水痘ワクチン定期接種により、帯状疱疹の発症率は0~19歳で減少した一方で、20~49歳の若年層で大きく増加しています。これは、それまでの20~49歳の子育て世代では、水痘患児と接触する機会が多く、本人も子供自体の水痘罹患で終生免疫を持っているので、水痘に感染せずともウイルスに対する免疫ブースター効果が生じて、帯状疱疹が発症しにくい状況でした。ところが、定期接種において水痘患児が減少したことで、ウイルスによる外因性曝露が減り、免疫ブースター効果が得られずに帯状疱疹の発症が前倒しになってしまったからです。そのことから、水痘帯状疱疹ウイルスのワクチン接種が帯状疱疹の発症を予防できる可能性があるとなり、帯状疱疹予防のための水痘ワクチンが承認されることになりました。
 日本において帯状疱疹予防のために水痘ワクチンが承認されたのは2016年です。2025年より、65歳以上の高齢者において、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。現在は帯状疱疹予防のための予防接種は50歳以上を対象にしていますが、上記の事実を踏まえると予防接種の前倒しが検討されそうですね。帯状疱疹において、自然感染ではなく、ワクチンという人為的な手段により、この先、帯状疱疹の発症数がどのように変化していくのか、今後の宮崎スタディの結果を楽しみにしています。
 と、ここまでの流れを読んでいただければ、帯状疱疹を予防するワクチン接種の推奨や前倒しには納得される方も多いと思いますが、果たしてその通りなのでしょうか?
 水痘患児より大人がウイルスに外的曝露され、然るべき感染経路をたどって、ブースター効果が生じ、その後しばらくは帯状疱疹を発症しないということと、皮下や筋肉内に接種するワクチンによる効果は同等なのでしょうか?
 臨床現場では感覚的にではありますが、2020年頃より帯状疱疹の発症が多いと感じます。しかも、高齢者ばかりでなく、今までは少なかった若年者において顕著に感じます。何か別の要因があるのではないかと感じております(ブログ:帯状疱疹の激増)

【参考文献】
外山 望:帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2017)」アップデート.IASR 2018 年 8 月号; 39:139―141.
Hope-Simpson RE: The nature of herpes zoster: a long-term study and a new hypothesis. Proc R Soc Med 1965; 58: 9―20.
Thomas SL, et.al: Contacts with varicella or with children and protection against herpes zoster in adults: a case-control study. Lancet 2002;360: 678―682.

 自分は帯状疱疹ワクチンではなく、オーソモレキュラー栄養療法にて対応しています。

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 さて、ここからは帯状疱疹とはちょっと離れた話をします。離れるとはいえ、言いたいことは同じです。もう少しお付き合いください。「宮崎スタディ(1997-2017)」の報告から、自分は別のことを考えました。ペストやエボラ出血熱、SARSやMARSなどの特別に強毒な感染症を除いた感染症を予防するためには感染を繰り返したり、低濃度曝露されたりして免疫を強化することが最も大切であるということです。
 人類は無数の微生物の大海原の中で生きているのです。そして、ヒトには免疫という対抗手段があります。多くの微生物と共生し、彼らとの均衡を維持しながら 進化してきました。
 近年はCOVID-19をあたかも超強毒なウイルス感染症に仕立て上げ、恐怖を煽りました。そもそもSARSやMARSのように強毒であるのならばこのように全世界的に流行しません。なぜなら、宿主を殺してしまうからです。ウイルスは単独では生きてはいけません。宿主に感染し、その宿主が生きていることで、自分たちも生きていけるのです。強毒ではないからこそ、宿主を殺さずに、それを渡り歩いて、広汎に感染を広げることができるのです。これは普遍の摂理です。COVID-19は強毒ではないと言いましたが、免疫弱者は命を落とすリスクはあります。今までも風邪をこじらせて亡くなる高齢者はいました。これはウイルスの毒性が強いわけでなく、宿主の免疫力が低下しているからなのです。ウイルスの毒性だけに焦点を当てられていますが、現代人が様々な因子によって、免疫力を十分に発揮できていないということを認識していないからです。ビタミンDは免疫力の指標です。日本人の98%がビタミンD不足であることは既に報告されています(ブログ:日本国民の98%がビタミンD不足!)(ブログ:北海道民のビタミンD血中濃度)。しかし、自分は大きな声で強調しているのですが、振り向いてくれる人はごくわずかで、世間はその状況を放置しています(笑)。電磁波は睡眠ホルモン、「メラトニン」の分泌を低下させるようです(ブログ:メラトニン)。メラトニンには免疫増強作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗がん作用、DNA修復作用があります。その他にも現代社会には免疫力に大きく影響する因子がたくさんあります。免疫力を高めるより具体的な対応をすべきであると思います。何度も繰り返し言います。「ビタミンDは健康長寿の1丁目1番地!」「ノーモア電磁波®!」
 自分は過去に2回、COVID-19に感染したことがあります。その後はマスクを始めとした、いわゆる世間で言う「基本的な感染対策」はしていません。むしろ、感染者に近づいたり、感染者のいる部屋に意図的に出入りしたりしています。いわゆる低濃度曝露を心がけています。3か月ごとに新型コロナウイルス抗体価を測定していますが、この間に感染を裏付ける抗体価の変化はありません。もちろん、症状もありませんでした。人類誕生の数百万年前から様々な病原体と戦い、進化し続けてきたヒトの免疫機構を、一般の方々ももう少し信じてみるということができないものでしょうか?
 新型コロナウイルス感染症を強毒ウイルスに仕立て上げて、恐怖を煽り、挙句の果てに人類史上初めて使用する予防接種を臨床治験の結果を待たずに全世界的に汎用しました。そして、史上最大最悪の薬害が進行しております。それを推進した専門家は責任を負うべきであろうと思います。一般の方はメディアに登場する専門家と称する方々の発言を鵜呑みにするしかありません。医学教育を受け、医療現場に身を置いた医師であれば、今回のおかしな対応は容易に理解できるはずです。であるのに何故か、そういった方々がおかしな発言を繰り返した裏には巨大力学が影響していたと思わざるを得ません。反対の主張を繰り返してきた自分はこの5年間は「陰謀論者」、「デタラメ医者」などと揶揄されてきました。それでも自分は信念を通します。将来、必ず歴史が答えを出してくれるはずです。「それでも地球は回っている!」。では、ごきげんよう!

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