帯状疱疹の激増 脳神経外科おたる港南クリニック

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帯状疱疹の激増

「宮崎スタディ」は1997年から現在にわたり宮崎県皮膚科医会に属する皮膚科診療所と総合病院が行っている帯状疱疹の大規模疫学調査です。帯状疱疹は年々、増加の一途を辿っています(図1)。

1997年における発症率は人口1000人当たり、3.61人でしたが、2017年には6.07人と約1.68倍になりました。ほぼ直線的に漸増しているので、年間0.123人が増加していくというペースですね。そうすると、5年後の2022年には6.69人程度と予想されます。
【帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2017)」アップデート】 IASR Vol. 39 p139-141: 2018年8月号:国立感染症研究所

ところが、川崎高津診療所の松井先生の報告では、2019年には7.4人/患者1,000人でしたが、翌年の2020年には28.8人/患者1,000人と一気に3.89倍に激増しました。順次、2021年は26.1人/患者1,000人、2022年は21.7人/患者1,000人と漸減していきましたが、以前高止まりの傾向にあります(図2)。多くの基礎疾患を有する帯状疱疹が発症しやすい高齢者を対象にしているという母集団の偏りはありますが、普段の現場での臨床経験においても明らかに多発している印象を持っています。どうやらコロナ禍が始まった2020年を境に何か特別なことが起きたようです。ただ、この論文ではワクチン接種が始まる前より帯状疱疹が増加していたと述べられています。


【川崎高津診療所コラム「コロナワクチン接種後に帯状疱疹は増えるのか?」】松井英男 Published on line in March 22, 2023

ドイツにおいてCOVID-19ワクチン接種後に帯状疱疹の頻度が増加するかどうかを調べた大規模コーホート研究があります。
[方法]年齢と性別をマッチングしたワクチン接種者1,095,086人とワクチン非接種者1,095,086人を比較しました。
[結果]接種群では2,204人が非接種群では1,223人が帯状疱疹を発症しました。発症率は統計的に有意で、リスク比1.802[95%信頼区間 1.681~1.932]、オッズ比1.804[95%信頼区間 1.682~1.934]でした。接種者は非接種者を比べると約1.8倍で帯状疱疹を発症しやすいということです(図3)。

[考察]この論文では帯状疱疹の発症は薬物有害反応の可能性を示唆しており、帯状疱疹ウイルスの再活性化の分子基盤はまだ不明であるが、帯状疱疹特異的T細胞媒介免疫の一時的な低下は、ワクチン接種後の帯状疱疹の発症にメカニズム的な役割を果たす可能性があると考察しています。このように接種者では何らかの免疫力低下が生じている可能性があります。
【Real-world evidence from over one million COVID-19 vaccinations is consistent with reactivation of the varicella-zoster virus.】M Hertel et.al. J Eur Acad Dermatol Venereol
. 2022 Aug;36(8):1342-1348. doi: 10.1111/jdv.18184.

コロナ禍で外出自粛を強要されました。屋外でも半強制的なマスクの着用を強いられました。ある時は公園が閉鎖されて、子供たちが屋外で遊ぶことを禁止されたこともありました。これらの感染対策は本当に有効であったのでしょうか?そろそろ目を覚まさなければなりません。北海道民のビタミンD血中濃度はこの3年間のコロナ禍で、益々低下しています。コロナワクチン接種者は事前に何らかの対応をしておくことが必要と思われます。免疫力の底上げをしておくことが最も簡単で、有効な手段は「ビタミンD血中濃度」を十分に高めておくことです!帯状疱疹の急増が免疫力の低下によることは明らかです。その原因がコロナ自粛によるビタミンD血中濃度低下によるものか、コロナワクチン接種によるものなのかの結論は別にして、ほとんど全ての日本人において、充足していないビタミンD血中濃度を適正値に維持しておくことは必要条件です。何度も言いますが、今こそ「ビタミンD」に注目すべきです!ビタミンDはビタミンではありません(ブログ:ビタミンDの産生と代謝)。強力な作用をもつ「副腎皮質ステロイドホルモン」の仲間です。とにかく、全国民「D活」です!興味がある方のために医療用ビタミンDサプリメントに2つのサプリメント(医療用オリーブ葉&果実抽出物サプリメント+医療用亜鉛サプリメント)を加え、セットにしました。

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自分はこの対策で年3~4回再燃していたヘルペスが全く出現しなくなりました。医療用ビタミンDサプリメント、帯状疱疹対策サプリメントをご希望の方は「サプリメント申込みフォーム」より、ご連絡ください。

 日常の現場医療においても帯状疱疹の頻発は実感しており、本来は高齢者に多く発症するはずのものが、50歳未満の若年者にもみられるようになってきました。帯状疱疹は一度、発症すると「帯状疱疹後神経痛(Post-herpetic Neuralgia : PHN)」が生涯残存する危険性があります。50歳以上の約2~3割の患者さんがPHNに移行するようです。その痛みは耐え難い苦しみのようです。「帯状疱疹後神経痛(PHN)」は一般の医薬品では症状緩和効果は乏しいことが大半です。残念ながら、既に帯状疱疹に罹患してしまって、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が苦しいという方は当院、オーソモレキュラー栄養療法外来で別のアプローチを行っておりますので、ご希望の方はお問い合わせください。