炭素(C)と水素(H)と酸素(O)の3種類の原子で構成され、炭素(C)が鎖状につながった炭化水素鎖の一方の端にカルボキシル基(-COOH)がついているものを脂肪酸と言います。
脂肪酸はその種類により、生体内でそれぞれ別の働きをするので、それらを分類することが必要です。
脂肪酸の分類
① 炭素数による分類
分子の中にある炭素数に応じて分類されます。炭素数が6個未満を短鎖脂肪酸、6~12個のものを中鎖脂肪酸、13個以上のものを長鎖脂肪酸と言います。
② 不飽和度による分類
分子の中の炭素間にある二重結合(不飽和結合)の有無やその数に応じて分類されます。
二重結合(不飽和結合)が存在しないものを飽和脂肪酸と言い、存在するものを不飽和脂肪酸と言います。不飽和結合が1つだけのものを一価不飽和脂肪酸と言い、2個以上あるものを多価不飽和脂肪酸と言います。飽和脂肪酸は常温では個体として存在します。不飽和脂肪酸は常温では液体です。
飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は体内で作ることが可能なので、非必須脂肪酸です。一方で多価不飽和脂肪酸は体内では産生されず、食事から摂取する必要があるので、必須脂肪酸です。
不飽和脂肪酸はメチル基の炭素(この炭素のことを「n末端」と言います)から数えて、二重結合が最初に出てくる位置により、更に分類されます。つまり、3番目の炭素に最初に二重結合があるものを「n-3系脂肪酸(オメガ3とも言います)」、同様に「n-6系脂肪酸(オメガ6)」、「n-9系脂肪酸(オメガ9)」と呼びます。
分類された脂肪酸は生体内ではそれぞれ別の働きをします。