概日リズム(サーカディアンリズム) 脳神経外科おたる港南クリニック

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概日リズム(サーカディアンリズム)

 人間の身体のすべての細胞には「体内時計」があります。体内時計は1日24時間強(+10~60分)の周期で動いています。ところが、地球の刻む1日は24時間、正確には23時間56分4秒と、若干の差があり、これらが別々に動いていると、1か月以内には昼夜が逆転してしまいます。ですが、ヒトにはこれを調整する機能があり、これを概日リズム(サーカディアンリズム)と言います。

 体内時計には、脳の視床下部の視交叉上核に存在している「主時計」と、その他全ての細胞に存在している「副時計」があります。これらの細胞の体内時計は、別々に機能するわけではなく、主時計がすべての細胞を同調させる指揮者としての役割を持っていて、副時計はオーケストラの一員に当たります。つまり、すべての細胞が同じリズムで時を奏でるというわけです。そして、指揮者である主時計をコントロールするのが「太陽光刺激」です。太陽光が眼の網膜にあたると、視交叉上核にある主時計が朝であることを認識して、体内時計と地球時刻とのズレをセットしてくれるのです。
 一方で、「食事刺激」は副時計をアジャストしてくれます。ヒトの身体は、夕食後から翌日の朝食までは絶食をしています。まあ、夕食終了後に何かを摂食する人が大半ですが(笑)。この、食べないということが副時計を夜間モードにセットし、朝になり、朝食を摂ることによって、副時計は朝を認識します。つまり、夜食は体内時計を狂わす罪な奴なのです。
このように太陽光刺激と食事刺激によって、体内時計は調整され、朝になれば起床し、夜になれば睡眠へというサイクルが形成されるのです。また、身体を動かすという行動(運動)も副時計を朝モードにする大切な因子です。