ビタミンDと急性心筋梗塞発症リスク 脳神経外科おたる港南クリニック

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ビタミンDと急性心筋梗塞発症リスク

 ビタミンDと冠動脈性心疾患(急性心筋梗塞)の発症リスクを検討した米国ハーバード大学での研究報告論文です。
【方法】ビタミンD血中濃度(25[OH]VD)が、冠動脈性心疾患(急性心筋梗塞)の発症リスクと関連するのかどうかを前向きに検討しました。Health Professionals Follow-up Studyに参加した18,225人の男性を対象にしています。年齢は40~75歳で、採血時に心血管疾患と診断されていない人をその後、10年間追跡し、急性心筋梗塞の発症リスクを検討しました。
【結果】ビタミンD血中濃度≦15.0ng/mLと欠乏している患者は、ビタミンD血中濃度≧30.0ng/mLと正常範囲にある患者に比べて、相対リスク[RR]=2.42(95%信頼区間[CI] 1.53-3.84;P < 0.001)でした。


 すなわち、ビタミンD血中濃度が欠乏している人は、充足している人に比較して2.42倍の急性心筋梗塞を発症するリスクが高いということです。
【25-hydroxyvitamin D and risk of myocardial infarction in men: a prospective study.】Giovannucci E.,et.al Archives of internal medicine. 2008 Jun 09;168(11);1174-80. doi: 10.1001/archinte.168.11.1174.
ビタミンD血中濃度が低値であれば脳梗塞(ブログ:ビタミンDと脳梗塞発症リスク)も急性心筋梗塞も発症する危険性を示唆しています。
 ビタミンD血中濃度は、当院のデータでは96.4%の北海道民が不足あるいは欠乏し、正常範囲内にありません(ブログ:北海道民のビタミンD血中濃度)。ビタミンD血中濃度を適正範囲内に維持することで身体に悪影響を与えることはありません。これでも、ビタミンD血中濃度を低値のまま放置しておきますか?ビタミンDを適正範囲に維持すること無しに「健康長寿」はありません。今こそ、「D活」なのです!