イミダゾールジペプチド 脳神経外科おたる港南クリニック

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イミダゾールジペプチド

 前稿(ブログ:生理的疲労を回復させる成分)にて紹介した、生理的疲労を回復させる栄養成分である「イミダゾールジペプチド」のお話をします。

 イミダゾールジペプチドは私たちが日常的に食べている食品に含まれています。イミダゾールジペプチドは、イミダゾール基を含むアミノ酸のジペプチドの総称です。その中でカルノシンアンセリンが良く知られ、イミダゾールジペプチドは鳥の胸肉に多く含まれています。渡り鳥は季節に応じて、広い世界を飛び回っています。また、マグロも同様で、泳ぎを止めると呼吸ができなくなり窒息死するために休息中でも尾ビレを動かして泳ぎ続けています。渡り鳥が長時間にわたり飛び続けることができるのは羽を動かす胸肉に、マグロが泳ぎ続けられるのは尾ビレに近い筋肉に、共に抗疲労成分であるイミダゾールジペプチドが大量に含まれているからです。

 摂取したイミダゾールジペプチドは消化されて、小腸から吸収され、血液中や肝臓にて「β-アラニン」「ヒスチジン」という2種類のアミノ酸に分解されます。これらは脳や筋肉に運ばれ、そこで再びイミダゾールジペプチドに再合成されるという特性があります。
脳には「脳血管関門」という関所があり、血液を通して有害物を脳の中に侵入させないようにしていますが、2つのアミノ酸は通行手形を持っているので、脳血管関門を通過することができ、脳の中の酵素の働きでイミダゾールジペプチドに再合成されるのです。
 ストレスにも様々なものがありますが、イミダゾールジペプチドにはその中の一つである酸化ストレスに対応する抗酸化作用があります。他にも抗酸化作用がある栄養素はたくさんありますが、その多くは部位を選ぶことなく、全身において抗酸化力を発揮します。それぞれ、身体にとって有益ですが、脳に到達する前に消費されてしまうので、脳内で機能するものはごく一部になります。そんな中、イミダゾールジペプチドだけは十分に脳に到達し、その抗酸化作用が脳内において長時間持続するので、他の抗酸化物質に比べて勝るところであるようです。それにより疲労感の改善がもたらされるのでしょう。
 東京慈恵会医科大学ウイルス学講座:近藤一博教授らが、疲労回復効果を認めたということの理由は、アンセリンやβアラニンによって「疲労回復指数」が増加したからだと思います。イミダゾールジペプチドは疲労回復+疲労感改善のための栄養素と言えますね!
 『いみだぁ~ぺぷちどは疲労を回復♫、24時間戦えますか?ビジネスマ~ン、ビジネスマ~ン、ジャパニーズビジネスマ~ン♫、』それでも、あなたは疲労のアラームである疲労感だけを消して、エナジードリンクだけを飲み続けますか?皆様方のご健康を心よりお祈り申し上げます!
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焼津水産化学工業株式会社のHPにアンセリンが血清尿酸値を低下させるというデータが出ています(https://www.yskf.jp/research/anserine05.html)。尿酸値が高めだけれど医薬品は飲みたくないという方にもお勧めのようです。

【すべての疲労は脳が原因】梶本修身 集英社新書

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