アレルギー性鼻炎の患者数は年々増加しており、その患者のビタミンD血中濃度が低いことに関しては今までに多くの研究報告がなされています。これらの研究報告はアレルギー性鼻炎患者を対象にビタミンD補給の有効性を評価したものです。
[目的]アレルギー性鼻炎の患者において、ビタミンD血中濃度の評価し、その補給によって症状の改善度を評価しました。
[方法]アレルギー性鼻炎患者50人を無作為にビタミンD群とプラセボ群の2つに分けました。ビタミンD群は1日1,000IUを30日間投与した。治療前後の臨床症状をTotal Nasal Symptom Score (TNSS)で評価しました。
[結果]治療前のビタミンD血中濃度はビタミンD群では17.32+8.26 ng/mlで、プラセボ群は18.19±4.66 ng/mlでした。一方、TNSSスコアはビタミンD群では9.92±1.37、プラセボ群では10.17±2.90であり共に大きな差は認めませんでした。
治療後にはビタミンD血中濃度はビタミンD群では29.71±2.28 ng/mlで、プラセボ群は18.67±4.75 ng/mlでした。一方、TNSSスコアはビタミンD群では2.81±3.04、プラセボ群では5.42±7.78でした。この差は統計的に有意でした。
【Placebo controlled trial of vitamin D supplementation in allergic rhinitis】Malik A.,et.al European Respiratory Journal 2015 46: PA2559; DOI: 10.1183/13993003.congress-2015.PA2559
次は治療としてステロイド点鼻薬にビタミンDを追加した場合の臨床症状の改善を評価した研究論文です。
[方法]アレルギー性鼻炎患者139人において、16~60歳かつビタミンD血中濃度(25[OH]VD)<20ng/mLの87人(除外基準有)を無作為に2つのグループに分けました。これらの患者についてTotal Nasal Symptom Score (TNSS:鼻症状合計スコア)とRhinitis Control Assessment Test score(RCAT:鼻炎コントロール評価テストスコア)にて評価しました。
[結果]
アレルギー性鼻炎と診断された139人の患者全員について、52人(37.4%)がビタミンD血中濃度30~100ng/mL(正常群)でしたが、49人(35.3%)が20~30ng/mL(不足群)、38人(27.3%)が<20ng/mL(欠乏群)でした。全体の62.5%が不足あるいは欠乏でした。正常群の平均TNSSスコア(12点満点)は5.7、不足群は8.6、欠乏群は11.3とビタミンD血中濃度が低いほど平均TNSSスコアは高く、症状は強くなりました。
対象とした不足群と欠乏群の合計87人において、無作為に2つのグループに分け、A群はステロイド点鼻薬のみ投与し、B群はステロイド点鼻薬に加えて、ビタミンD(1回60,000IUを週1回で4回)を投与しました。
A群の治療前のTNSSスコアは12.5 ± 2.68、治療後TNSSスコアは8.98 ± 1.009で、その差は3.52でした。一方で、B群の治療前のTNSSスコアは11.64 ± 3.09で、治療後TNSSスコアは6.3 ± 1.45で、その差は5.34でした。スコアの改善がみられたが、その差は統計的に有意ではありませんでした。
A群の治療後RCATスコアは19.72 ± 2.84で、B群の治療後RCATスコアは28.2 ± 1.53で、その差は8.48でした。この差は統計的に有意でした。
[結論] アレルギー性鼻炎の治療の第一選択はステロイド点鼻薬であるが、ビタミンD補給は症状をより改善させる役割を持ち、併用して使用することで、より良い症状の緩和が期待できます。
【Efficacy of Vitamin D Supplementation in Allergic Rhinitis】Bhardwaj B.,et.al Indian journal of otolaryngology and head and neck surgery : official publication of the Association of Otolaryngologists of India. 2021 Jun;73(2);152-159. doi: 10.1007/s12070-020-01907-9.
このようにアレルギー性鼻炎(花粉症)の患者様において、ビタミンD血中濃度はその症状の重症度に関係ありそうですね。しかも、ビタミンDの補給により症状の改善が期待できそうです。自分の次男は時期になると必ず、くしゃみ鼻水などの症状が出現しておりましたが、ビタミンDサプリメントの摂取で、翌年以降は例年あった症状が消失しました。コロナ対策にこの3年間は強力に「キープD」を勧めてきました。自分の感覚的にはこのようなアレルギー性鼻炎の改善は目に見張るものがあります。アレルギー性鼻炎(花粉症)でお悩みの方、それでも毎年、時期になって病院通いをし、症状を和らげるだけのお薬を服用し続けますか?この3年はコロナ感染対策で、屋外イベントや外出の自粛、屋外においてもマスク着用を強いられたためにビタミンD血中濃度は明らかに低下しています。メディアに出てくる感染症専門家と称する輩が推奨してきた感染予防対策は本当に有効で、本当に悪影響を与えなかったのでしょうか?そろそろアホに騙されるのはやめて、正気に戻りましょう!今こそ、「キープⅮ」なのですよ。ビタミンDの充足無しに健康長寿もQOLの改善もありえません!