ミトコンドリアは細胞内小器官の一つです。赤血球以外の細胞では、1個の細胞あたり平均で300~400個のミトコンドリアが存在します。特に、代謝が活発な臓器に多く存在し、全体重の約10%を占めると言われています。
ミトコンドリアは好気性細菌のαプロテオバクテリアが真核細胞に寄生したという「細胞内共生説」が定説となっています。直径は1μm以下、長さは1~4μmでいも虫様の立体構造をしています。ミトコンドリアは2枚の膜(内膜と外膜)によって構成されています。内膜は複雑に入り組んで「クリステ」というものを形成しています。その内側を「マトリックス」といいます。
ミトコンドリアの機能は主に2つです。
①エネルギー産生
生物の細胞が活動するエネルギーは「ATP(アデノシン3リン酸)」(ブログ:ATP)です。ATP産生の95%はミトコンドリア内膜で行われています。ミトコンドリアがエネルギー産生工場であると言われている所以です。
②アポトーシスの誘導
「アポトーシス」と「ネクローシス」という、大きく分けて2つの細胞死があります。ネクローシスとは細胞が物理的、化学的に損傷した時に引き起こされる偶発的で分子機序の無い細胞死です。一般的にはこちらは簡単に理解できると思います。一方でアポトーシスとは「細胞のプログラム細胞死」で、緻密な分子機構により制御されています。わかりやすい例はおたまじゃくしのシッポです。発生、発育に伴って、アポトーシスというプログラムされた細胞死が起こって、シッポは退化して、カエルになっていくのです。
「オートファジー」という機能があります。これは細胞の一部である主に細胞小器官をリサイクルする機能であるのに対して、「アポトーシス」は細胞全体をリサイクルするシステムです。つまり、生体が適切に発生し、機能した、がん細胞のような有害細胞や不要細胞の除去するためには計画された細胞の自殺が必要なのです。
加齢に伴い、生体内ではエネルギーの産生効率が低下し、各細胞や組織、臓器は機能低下し始めると言われています。またアポトーシス機能低下によって、有害細胞を排除できなくなります。従って、老化に伴う生理機能の低下を予防するにはミトコンドリアの量と機能を高めることが重要と考えられます。
現在、ミトコンドリアブースターと言われているサプリメントは以下の3つです。
① 5-ALA
② NMN
③ 5-デアザフラビン