東京慈恵会医科大学の浦島充佳先生のグループによるビタミンDのインフルエンザ感染予防効果に関する報告があります。6~15歳の学童において、2008年12月から2009年3月31日まで、1200IU/日のビタミンDを摂取したビタミンD投与群(167人)と、偽薬(プラセボ)を投与した非投与群 (167人)において、インフルエンザの感染予防効果を比較検討しました。
A型インフルエンザについてはビタミンD投与群では18人が感染し、プラセボ群では31人が感染しました。相対リスク比0.58(95%信頼区間:0.34~0.99, p value=0.04)であり、ビタミンD投与群はプラセボ群に比較して、0.58倍の学童が感染しました。つまり42%の罹患を抑制したということです。一方でB型インフルエンザにおける感染予防効果は認められませんでした。
【Randomized trial of vitamin D supplementation to prevent seasonal influenza A in schoolchildren.】Urashima M, et al. The American journal of clinical nutrition. 2010 May;91(5);1255-60. doi: 10.3945/ajcn.2009.29094.
インフルエンザワクチンの感染予防効果に関しては、1987年の「前橋レポート」にて感染予防効果は乏しいという報告がされました。1994年に国は予防接種法を改正し、インフルエンザワクチンを任意接種としました。もちろん、「前橋レポート」の結論に反論する意見もあるようですし、一方で重症化予防効果を有するという考えが今でも強くあるようです。しかし、それを裏付ける報告も無いようです。とはいえ、昨今多用されているワクチンと称する「遺伝子新薬」に比較すると、有害性は極めて少ないので、接種は自己判断で構わないと思います。ただし、今後はインフルエンザワクチンも「mRNA型」のものも出てくる可能性があり、注意が必要です。
インフルエンザは場合によっては致命的な感染症です。特に小児ではインフルエンザ脳症を併発することがあります。小児にはそれなりの対応をすべきであろうと思いますが、先ほども述べた通りインフルエンザワクチンだけでは感染予防効果には疑問があるので、もう一つの手段として、ビタミンDの摂取をお勧めします。ほとんどの方のビタミンD血中濃度は充足されていません。特に北海道などの高緯度地域にお住まいの方は顕著です(ブログ:北海道民のビタミンD血中濃度)。このコロナ禍において、屋外においてもマスク着用を半強制的に着用させられ、場合によっては屋外におけるイベント制限や行動制限がなされました。その結果、ビタミンD血中濃度は更に低下しています。インフルエンザの予防のみならず、総合的な健康度をアップするために、是非、医療用サプリメントで「キープD」!をお勧めいたします。
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*小児の場合はサプリメントの服用が難しいことがありますが、当院ではスプレー式液体のサプリメントも扱っております。無味無臭で、食品に混入させることで、無理なく服用をさせることができます。