高周波電磁波 脳神経外科おたる港南クリニック

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高周波電磁波


 電磁波は、周波数や波長の違いによって性質が大きく変わり、低周波の電力周波数から、超低周波、低周波・マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線さらにエックス線やガンマ線まで連続的につながっています。もともと私たちの生活環境で主に利用されていたのは、家電や送電線に代表される低周波の電磁界と、照明や太陽光としての可視光、そしてテレビやラジオ放送に使われる比較的低い周波数の電波が中心でした。しかし近年、この電磁波利用の範囲は大きく変化しています。携帯電話やスマートフォン、無線LANなどの登場によって、高い周波数帯、すなわちマイクロ波を含む高周波電磁波の利用が急速に拡大しました。携帯電話の通信には数百メガヘルツから数ギガヘルツの電波が用いられ、さらに第五世代移動通信システム(5G)ではミリ波帯と呼ばれる、より高い周波数まで使われ始めています。かつてはレーダーや一部の専門機器だけが利用していた帯域が、今では一般家庭や都市空間の至る所で常時使用されるようになったのです。
 電磁波そのものは昔から自然界に存在していましたが、上記で説明したように日常生活の中で人為的に発生させている電磁波の「種類」は、以前と比べて高周波側へ大きく広がりました。低周波と可視光を中心とした環境から、マイクロ波やミリ波といった高周波電磁波が新たに加わり、私たちの身の回りの電磁波環境は質的にも量的にも大きく変化しています。

 携帯電話の契約数が、年月が経つにつれて急増している様子が示されています。1990年代初めに利用者がごく一部に限られていましたが、1993年ごろから普及が始まり、2000年代に入ると急激に契約数が増加します。2008年ごろにはスマートフォンが登場し、携帯電話の利用率はほぼ100%近くに達しています。

 携帯電話やスマートフォンは、通話やデータ通信のためにマイクロ波帯の高周波電磁波を常に送受信しています。利用者数の増加に伴い、基地局の数も市街地を中心に大幅に増えました。その結果、都市部では常に複数の基地局からの高周波電磁波にさらされる環境となり、図に示されているように、都市部における人工的な高周波電磁波の「総量」は、2000年代後半から急激に増加しています。都市部における高周波電磁波の測定値の推移と、「安全とされている基準値」が比較されています。2000年代初頭には、測定される電磁波の強さは基準値より大幅に低く、余裕をもって安全域に収まっていました。しかし、スマートフォンが普及し始めた2008年前後からグラフの曲線は急激に立ち上がり、都市部で測定される高周波電磁波の強さは年々増加しています。2010年代に入るとその増加はさらに加速し、図では基準値の線を大きく上回り、「許容範囲をはるかに超えた」領域にまで達していることが示されています。
 このように、携帯電話やスマートフォン、無線通信機器の爆発的な普及により、都市部では高周波電磁波の環境レベルが急増し、かつて想定されていた安全域を超える強さの電磁波が、日常的な背景として存在するようになったということです。つまり、私たちは携帯電話の便利さと引き換えに、高周波電磁波の負荷が大きく高まった生活環境の中で暮らしているといえるのです。

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