乳がんと松果体の関連性については、1978年に初めて報告がなされ、1987年には、Stevensらが乳がんの原因として「メラトニン仮説」を提唱し、具体的な一例として、電磁波や夜間の電光曝露によるメラトニン分泌不全が乳癌の発症率を増加させているのではないかと報告されました。その後、夜間勤務と乳がん発症との関連性について、いくつかの疫学研究がされてきました。
今回は2015年のカロリンスカ研究所(スウェーデン)の報告です。
【方法】スウェーデン双子登録の個人、スウェーデンがん登録で追跡調査した。
【対象】スウェーデンの双子登録女性13656名(調査開始時に41-60歳であった者)、そのうち3404名が夜勤に従事しており、また463名が追跡終了までに乳がんになった。
【結果】多数の交絡因子をコントロールした Cox 比例ハザード回帰分析の結果、夜勤歴が 20 年を超える群では HR(ハザード比)が HR=1.68 (95%信頼区間:0.98~2.88) であり、夜勤勤務群は非夜勤勤務群に比較して乳がん発症は1.68倍にリスクが高まるということです。対象を60歳未満に限定した場合は夜勤歴が20年を超える群では HR=1.77 (95%信頼区間:1.03~3.04) となり、リスクは更に増加した。20年以下の夜勤従事では、乳がんとの関係が示されなかった。
【結論】夜勤は女性の乳がんリスク増加と関連しているが、比較的長期間の曝露後のみであることが示唆される。
【Night work and breast cancer in women: a Swedish cohort study】Åkerstedt T, et al.
BMJ Open 2015;5:e008127. doi:10.1136/bmjopen-2015-008127
乳癌診療治療ガイドライン2022年版では「BQ9 夜間勤務は乳がんリスクを増加させるか?」という→「夜間勤務は乳癌発症リスクを増加させる可能性がある(エビデンスグレード:可能性あり)。」というステートメントをしています。
自分は以前から、国際線の客室乗務員さんや夜勤がある看護師さんに乳がんリスクが高いという話は論文で見かけていました。
国立研究開発法人国立がん研究センターの「がん統計」を見ると、2020年に乳がんと診断された方は92,153人でした。年次推移を見ると2000年以後から急激な増加(角度45°位になりますかね)をしています。こんなにも多ければ、皆様方の周りにも乳がんで苦しんでいらっしゃる方を見聞きした方も多いのではないでしょうか?最近は低年齢化も実感します。
その一因として自分が想像しているのは電磁波です。1990年代後半から一般の方も携帯電話を持つようになり、次第に高速かつ大量データ通信が可能になり、2007年より「iPhone」の発売以降は「スマートフォン」が普及してきました。自分は電磁波→メラトニン分泌不全→免疫力低下→乳がんというフローチャートが気になってなりません。スマートフォン、皆さんはどこで操作しますか?胸の前ですよね!実際にスマートフォンを胸ポケットに入れている若い女性が乳がんを発症したという報告があります。スマートフォンのみならず、社会においても電磁波は急増しています。本来、外部からの電磁波はヒトの身体には必要の無いものです。しかし、悪影響があることは否めません(ブログ:スマホチャージache®)。であるのであれば、膨大な電磁波の影響を少なくする努力が必要な時期にきていると思います。今こそ、「ノーモア電磁波®(お知らせ:商標登録:「ノーモア電磁波®」)」、始めるのは今でしょ!