腸カンジダ症 脳神経外科おたる港南クリニック

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腸カンジダ症

 カンジダは真菌の一種です。健康な人も含めほとんどの人の皮膚や、口や性器周辺に常在しています。腸粘膜にも常在していますが、通常は胞子の状態で粘膜ヒダの間にじっと潜んでいます。ところが何かの影響で、腸内環境が悪化すると、菌糸という枝を伸ばして、粘膜を突き破り、血中に様々な有機酸(有害物質)を放出します。この有機酸によって様々な全身症状が引き起こされます。例えばアンモニアによるブレインフォグ(脳機能障害全般のこと)、アセトアルデヒドによる二日酔いのような頭痛やめまい、3-オキソグルタル酸によるミトコンドリア機能障害からの慢性疲労症候群などです。

 

 カンジダは深部真菌症の一種で、深部真菌症は健康な身体には発症しにくいのですが、何らかの原因で免疫力が低下している場合に発症します。昨今は帯状疱疹の激増(ブログ:帯状疱疹の激増)、急速に進行した末期がんなどを見かけるようになりました。コロナ禍の数年で様々な原因によって私たちの免疫力が低下していることは否めません。従って、そのような免疫低下環境で隆盛を極める深部真菌症の可能性は疑わなければなりません。一般医療機関を受診すると、それによって生じている症状から、認知症、起立性調節障害、慢性疲労症候群、線維筋痛症などと診断されることが多いようです。治療しても一向に良くならず、挙句の果てには心療内科の受診を勧められて、匙を投げられることになり、路頭に迷っている患者様をお見受けします。昨今はワクチン接種後症候群として、類似の症状が起きているようです。この疾患は今まではそれほど多いものではありませんでしたが、免疫力低下が指摘されている現在においては常に意識しなければならないと考えております。

カンジダが異常繁殖する原因

  • 抗生物質の乱用
  • 副腎皮質ステロイド剤の乱用
  • 胃酸分泌抑制剤の乱用
  • 甘いものの摂り過ぎ
  • アルコールの摂り過ぎ
  • 有害重金属の蓄積
  • 昨今のコロナウイルス用“遺伝子新薬”の接種

 食欲不振、嘔気、便秘や下痢などの消化器症状がある場合はカンジダを疑うヒントになりますが、消化器症状が乏しく精神症状のみの場合もあり、その場合は、カンジダを疑うことが無く、見逃されている可能性があります。まさか、腸に存在するカンジダがこのような全身症状を引き起こしているということを患者さんはもちろん知る由もなく、一般診療医師も意識が薄いのです。最も大切なことは医師がこの疾患の存在を認識することであり、ご家族がその認識を持つ医師の診察を受けさせることです。原因不明の体調不良、認知症やブレインフォグ、強い倦怠感、不眠症、うつなどの精神症状がある場合は一度、疑ってみることは必要かと思います。治療困難と思っていたものが、改善する可能性があるかもしれません。高齢者であれば認知症が発症しても、医者はカンジダの認識が無いまま、症状だけをみて、「アルツハイマー型認知症」と診断します。その結果、ご家族は加齢によるものであると思い、それ以外のことは疑わないのではないでしょうか?意外にも頭痛、めまい、耳鳴り、肩こりや腰痛などの一般的な症状もこれに起因していることがあるようです。

 大きな問題点として、腸カンジダ症を診断する有用な検査が無いことです。保険診療で行える検査は感度が低く、検出できないことが多いのです。尿中有機酸検査(OAT:organic acid test)やGI-MAP(Gastrointestinal Microbial Assay Plus)という検査がありますが、超高額で、日常診療においては現実的ではありません。医師側の立場から考えると、まずはその疾患に対する認識不足があり、あったとしても適切な診断をする検査が無い、そのような状況下では副作用の多い抗真菌剤の安易な使用を躊躇せざるを得ないのです。これが、この感染症を野放しにしている原因と思います。従って、ある程度の目安がついたなら、安全な方法で治療的診断ということも一つの方法です。当院では疑わしい患者様には副作用の少ない、抗真菌作用が期待できるサプリメントの使用と腸内フローラ対策治療をしております。安全な治療ですので一度は試してみる価値があると思います。
 一般的に、保険診療では、認知症状は進行を遅らせると医師に言われ、医薬品を処方され、ご家族はその効果をほとんど感じないままに通院を続けていくということが大半です。全てが対応できるわけではありませんが、回復が困難な認知症と診断されたものの中には少なからずこのような症例が含まれている可能性があると思います。ダメもとでこういった治療を選択してみることも、一つの手段であると考えます。
 当院では認知症の患者様のサプリメントによる診療も行っております。サプリメントを数種類使用し、使用する種類も量も細かく変わっていきます。従って、認知症患者様がご自分で服薬を管理することはできませんので、ご家族が面前でサプリメントの摂取を確認できる状況にある方しか治療できません。また、全てのご家族様に納得いただける結果を出せるわけではありません。もしかしたら改善する場合もあるという程度の認識でお願いします。しかも、使用するサプリメントは高額のものを多種類使用しますので、経済的負担は大きくならざるをえません。以上を十分にご理解いただいた上で、ご希望の方は受診をご検討ください。

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