ビタミンDと高血圧の発症リスク 脳神経外科おたる港南クリニック

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ビタミンDと高血圧の発症リスク

 米国ハーバード大学によるビタミンD血中濃度と高血圧の発症の関係を、男性613人と女性1198人で4~8年間追跡調査した大規模な研究結果です。

 4年間の追跡調査の結果、血漿中の25(OH)D濃度が15ng/mL未満(すなわちビタミンD欠乏症)の男性における高血圧発症の多変数リスク比は、30ng/mL以上の男性と比較して6.13(95%信頼区間:1.00~37.8)になることがわかりました。つまり、ビタミンD血中濃度が15ng/mL未満の男性は、30ng/mL以上の男性に比較すると6.13倍の確率で高血圧に罹患したということです。一方、女性では、同じ比較で相対リスクは2.67(95%信頼区間:1.05~6.79)でした。つまり、女性では2.67倍の確率で罹患したということです。このようにビタミンD血中濃度は高血圧発症のリスクと逆相関していました。
 ビタミンDは血圧を上昇させる「レニン」に直接作用し、その量を減少させ、血圧上昇を抑制します。またレニンを産生させる「副甲状腺ホルモン(パラトルモン)」を抑制し、間接的にレニンを抑制し、血圧上昇を抑制するようです。

【Plasma 25-Hydroxyvitamin D Levels and Risk of Incident Hypertension】Forman JP.,et.al. Hypertension 2007 May;49(5);1063-9.