ダイエット奮闘記 脳神経外科おたる港南クリニック

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ブログ

ダイエット奮闘記

「ダイエット」,自分はこの言葉と30年以上にわたり向き合ってきました.学生時代まではダイエットをさほど気にしたことはなく,気にし始めたのは脳神経外科医になり仕事に忙殺される中,長時間の断食,そして食べる時は丸飲み早食い,その上,製薬会社さんにはおいしいものをたくさんごちそうしてもらえた時代からでした.

新兵さんとして働いた大学を離れて,地方病院に出張になり,時間的に少し余裕ができるようになった時に初めてダイエットをしようと思いました.当時は正確な情報なんてありません.最初に始めたのは「リンゴダイエット」でした.食事の代わりにリンゴだけを食べるというものです.飲み物はウーロン茶のみ.もちろん体重は落ちました.しかし,そんなことが一生続けられるわけはありません.痩せたことに満足した自分がいましたがウーロン茶の飲み過ぎで胃痛を訴えるようになりました(今でもウーロン茶は飲めません).そして,それを止めた途端にリバウンド.当たり前ですよね(笑).ある時には飲むだけで痩せると宣伝されていた「ガルシニア(唐辛子に含まれる成分)」のサプリメントを飲みました.しかし,全く効果無し.そこからはサプリメントなんかで痩せられるわけはないと思いました.今,考えると幼稚で滑稽な自分がいます(笑).そこで本を読んで勉強しました.当時は平成3~5年頃でインターネットから情報を得るという手段はありませんでした.「そうか!摂取カロリーを減らして,消費カロリーを増やせば痩せるのか!筋肉をつけて基礎代謝を上げるのか!」と勉強し,ある程度の理論武装はしました.そこから食事制限と猛烈にスポーツをしました.フィットネスジムに通い,エアロビクスにのめり込んだのです.土,日になると一日3本のプログラムに参加し,その上にトレッドミル,エアロバイク,クライムミル(階段昇降マシーン)を一日中,頑張りました.そして,元ボディビルダーに個人レッスンを受けて,筋肉トレーニングもしました.さすがに痩せました.その後は留学のためアメリカに約2年半滞在しました.フィットネスジムにも通い続けたのですが,今になって振り返ってみるとアメリカでの食生活はめちゃくちゃ身体に悪かったです.当然のことながらリバウンドしました.帰国後はジョギングに励みました.以前はジョギングするとすぐに体脂肪は落ちたのですが,どうも思ったように落ちてこなくなることを実感いたしました.年齢とともにダイエット効果の減少に気づいてきました.そうこうしているうちに加圧トレーニングに出会いました.これは多少の効果を自覚しました.でも,あるところまでいくと停滞するようになってきました.ある日,近所にボクシングジムがオープンしているのを知りました.子供の頃から格闘技,特に打撃系のものが好きでしたが,それまでは挑戦してみる機会がありませんでした.子供の頃は具志堅用高,ガッツ石松,輪島功一の試合はいつも観ていました.いてもたってもいられなくなり,すぐに入会を決めました.時間的な問題で加圧トレーニングとの両立は無理だったので,加圧トレーニングは止めました.ボクシングを始めたのは51歳の時です.そのハードな運動量はさすがに減量効果がありました.しかし,やはりそこでも停滞しました.こんなにハードな運動をしているのになかなか痩せません.ですがさらにトレーニング量を増やすことはできませんでした.このように自分の人生はダイエットとリバウンドとの繰り返しで,少しずつ肥満はステップアップしていくという結果でした.その頃から体脂肪を落とすためにはどうしたらいいのか,様々な情報をインターネットで集めて,本気で考え始めました.

その頃,次男が高校を卒業後に浪人のため大阪で一人暮らしを始めました.当初は調子よかったのですが,親元を離れ,自制できずに不健康な生活を送り,体調を崩しました.親として,医者としていろいろなことを考え,現地の医療機関を受診させましたが,全て異常無しでした.おかしな感染症か悪性疾患を疑い,大学病院の教授にもご高診いただきましたが異常無し.こんなに具合悪くて予備校にも行けないのに何の異常も無しなのはおかしい!必ずどこかに異常があるはずだと思い,友人のいろいろな専門医に相談し,自分で情報を集め勉強しました.そこで出会ったのが「オーソモレキュラー栄養療法」でした.これだと思い,その治療を実践するとみるみる体調が回復しました.次男は不摂生のせいで栄養失調になり,副腎疲労+反応性低血糖をきたし様々な症状を訴えたのでした.30年以上,医者をやってきたのにこんなことがあるのかと衝撃を受け,その絶大な効果に驚きました.それが「オーソモレキュラー栄養療法」にのめり込んだきっかけです.勉強しているうちに自分の悩んでいた腹部の皮下脂肪,これもこの方法で解決できないかと考え勉強しました.そうするとなんと衝撃的な効果が表れたのです.こりゃすごいと思い,すぐに「バイオケミカルダイエット」と称し,商標登録をしました.肥満とは栄養失調により生体の代謝やホルモン機能が崩れていることが原因だったのです.それを是正することなく,仮に体脂肪を落とすことができても必ず元に戻ります.ですから,それを改善しながら体脂肪を落とすことが重要なのです.そのために個々人の不足している栄養素を採血にて調べ,補充して,身体の代謝やホルモン機能を改善させて,そして体脂肪を減らす.これがダイエットの基本だと知ることになりました.巷には糖質制限のみでダイエットを行うプログラムや情報が多くあります.確かに糖質は体脂肪の原因なのですが,本来は身体には必要なものなのです.過剰摂取が問題なのであって適度に摂る必要はあるのです.しかし,体脂肪排除のために糖質制限至上主義者は極端に実行します.そうすると身体に悪影響を与えることは必至ですよね.極端な糖質制限を長期間に実行して,突然死した方もいらっしゃいました.ですから糖質制限は危険であるという話も出てくるのです.体脂肪を減らすためには糖質制限は必須です.バイオケミカルダイエットではマイルド糖質制限は継続しますが,極端な糖質制限は一時的,短期的にしか行いません.崩れた代謝やホルモン機能異常を是正せずに,仮に体脂肪を落とすことができても,糖質制限のみのプログラムだとその後は間違いなくリバウンドするのです.そうすると終了後の自己管理が悪いということになり,また次のプログラムを勧められるというアリ地獄へと誘われていくのです.良い商売です(笑).そんな極端な糖質制限を一生続けられますか?バイオケミカルダイエットでは代謝やホルモン機能を是正しながら体脂肪を落としていくので,リバウンドはしません.もちろん,再度栄養失調状態に陥ると元通りになります.ですから,減量後の最低限のメンテナンスも必要なのです.これが,最終的に自分が「バイオケミカルダイエット」に到達したストーリーです.