グルタチオンの枯渇 脳神経外科おたる港南クリニック

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グルタチオンの枯渇

前回はグルタチオン全般のお話をしました。今回はなぜグルタチオンが減るのかについてお話しをします。グルタチオンの産生が減少するのと消費の増加がどのような状況で起きるかは、以下の通りです。

まずはグルタチオンの産生が減少する場合

  • 栄養不良:グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸を原料に作られます。栄養不良で原料が少なければ低下します。
  • 加齢:加齢とともにグルタチオンを作り出すのに必要な酵素というたんぱく質、その補因子となるビタミンやミネラルの不足が累積してくると十分に作れなくなります。

次はグルタチオンの消費が増加する場合、

  • 薬剤の大量服用、長期服用
  • アルコール多飲
  • 紫外線、喫煙、電磁波、放射線、環境ホルモン、殺虫剤、農薬、ストレス、過度の筋肉運動や労働など

これらについてはデトックスしなければならない薬物や毒物に多く曝露されて、それらを無害化しなければならない場合や、発生した多くの活性酸素を無毒化しなければならない場合に消費量は増えます。

2019年頃まではこれらを気にすればよかったのですが、現在はかなり大きな問題が起きています。「新型コロナウイルス感染症」です!新型コロナウイルスの正式名称は「SARS-Cov-2」といいます。そしてそれによって引き起こされる感染症を「COVID-19」といいます。さらに、COVID-19後に生じる後遺症を「Long COVID(ロングコビット)」といいます。Long COVID(ロングコビット)の大きな原因はSARS-Cov-2が体内に侵入することで、膨大な量の活性酸素が発生し、それが全身の細胞を傷害して、様々な症状を引き起こすのです。ですから、治療の第一は膨大な活性酸素を処理することなのです。 活性酸素の無害化は抗酸化酵素と抗酸化物質によって行います。活性酸素を還元して、無害化するには抗酸化酵素と抗酸化物質が共同して働く必要があるのです(抗酸化ネットワーク)。その中でグルタチオンは一際、重要な役割を果たしています。

下の図を見て下さい。感染により膨大な活性酸素が発生することで、グルタチオンが消費されてしまって、グルタチオンプールが枯渇してしまっているのです。消防車が駆けつけても、消火剤を使えないという状況です。ですから、火事は野放しです。これが「Long COVID(ロングコビット)」の原因です。

 

感染後遺症は長引くと言われていますが、それは医者が適切な治療をすることができないことが一因です。大学病院や大きな市中病院に勤務する医師は、自身の仕事や勉強に忙しくて、専門外のことをあまり勉強する時間がありません。ましてや、このコロナ禍で目の前の患者様を救うためにご尽力されている先生方は、感染後遺症を客観的かつ俯瞰的に見ることは難しいと思います。この「遺伝子新薬」がなぜ危険なのかということがわかれば治療の糸口は見つけられます。それがわかれば接種を推奨することなどありえません。つまり、接種を推奨している医師はこの「遺伝子新薬」の危険性に気づいていないということにほかなりません。また、仮に治療方法がわかっても、すぐに有効な抗酸化治療はできません。なぜなら、保険適応を逸脱した治療をしなければならないために、大きな病院でそれを始めるには倫理審査とか、臨床治験とか正式に対応しなければならず、それを完了してからでなければ治療を始めることができません。それには年単位の時間が必要です。それまでは待っていられませんよね。時間が経過すれば体内に起きた変化も不可逆的になってしまうかもしれません。

結論からお話ししますと、新たな器質疾患が発生していない体調不良というだけの感染後遺症は抗酸化療法で症状は容易に改善します。ただし、ここでいう「感染後遺症」とはワクチン非接種で感染後に症状を呈した患者さんのみです。一度でもワクチン接種して、その後に感染して、それ以後症状を呈したという患者さんは含まれません。なぜなら、ワクチン接種によって免疫機能をはじめとする生体の反応が変化しているからです。自分はこの場合を「ワクチン後遺症」として扱っております。

感染後遺症でもワクチン後遺症でも、程度の差や持続時間の差は違いますが、ほぼ同じ症状が出現します。このワクチンと称する「遺伝子新薬」はSARS-Cov-2のスパイクタンパク質の設計図であるmRNAを投与して、身体はそれをもとにスパイクタンパク質を産生します。本来のコンセプトは、スパイクタンパク質に対する迎撃ミサイル(抗体)を事前に準備しておくことによって、ウイルスが侵入してきた時にはいち早く対応し、感染予防効果が期待できたというものでした。しかし、ヒトの身体というのはそれほど単純ではありません。今回の「遺伝子新薬」によって作られたスパイクタンパク質はそれ自体が毒であったのです。血管内皮細胞のACE2受容体に結合し、血栓症を引き起こし、大量の活性酸素を発生させることになってしまったのです。《参考:一般の人には難しいと思いますが、医者や科学者であるならば、ソーク研究所によって2021年4月に発表された「Circulation Research」に掲載された論文をご一読下さい。科学者がこの論文を読んで接種を推奨することができるのでしょうか?

【SARS-CoV-2 Spike Protein Impairs Endothelial Function via Downregulation of ACE 2.
Circulation research. 2021 04 30;128(9);1323-1326. doi: 10.1161/CIRCRESAHA.121.318902.】

感染にしてもワクチン接種にしても、大量の活性酸素を発生させているのはスパイクタンパク質であろうと考えられます。従って、グルタチオンは「ワクチン後遺症」の患者さんにも使わなければならない必須アイテムで、その場合は抗酸化療法のみではなく、様々な対応が必要となってきますが、まずは抗酸化療法を行うことが最初で不可欠です。

ワクチン接種によるスパイクタンパク質の産生はかなり長期間にわたり持続すると思われます。従って、次から次へと攻撃を仕掛けられてくることになります。ワクチン後遺症の治療は簡単ではありません。ワクチンを接種した後に半年以上、症状が長引いて受診した方がいらっしゃいました。感染した後に後遺症になるのを心配してワクチン接種したのに体調が悪くなって受診する、これでは本末転倒です。感染後遺症は容易に改善します。しかし、ワクチン後遺症は簡単ではありませんし、軽快するにしても時間がかかります。ワクチン接種前後の感染は結果的にはブースター接種となり、症状を更に悪化させます。

グルタチオンは非接種の方にもお勧めします。自分はワクチンを接種しておりませんが、グルタチオンは使用しています。肌にツヤが出て、しわが浅くなりました。感染後にお酒が弱くなったという方が多いです。それはグルタチオンが枯渇しているためにアルコールを解毒する力が弱まっているからです。自分はお酒を飲みに行く前にグルタチオンを摂取します。お酒は弱いのですが、少し耐性ができたように感じます。

後遺症はもちろんのこと、美白・美肌、二日酔い防止のために、グルタチオンを試してみる価値はありますよ!