皆さんは「グルタチオン」という栄養素をご存じでしょうか?これから自分が様々なお話をしていく上で、グルタチオンという言葉は何度も出てきますので、是非、皆さんも覚えてください。いろいろと役に立つことがあるはずです。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸を原料に合成されるトリペプチドというもので、健康を維持していくために必須の成分であり、生体内に常に一定のレベルで存在していることが必要な栄養素です。グルタチオンは元々、私たちの身体の中で合成され、肝臓を中心にあらゆる臓器に存在しています。グルタチオンを生体内にとり入れると、まず肝臓のグルタチオンプールにとり込まれます。毒性はありません。日本では「医薬品医療機器等法(薬機法)」という法律に定められている日本薬局方収載の「医薬品」です。注射液と錠剤があり、効能効果は「薬物中毒、アセトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)、慢性肝疾患における肝機能の改善 ……」と、使用できる対象疾患が決められて、医師のみが処方可能な「処方箋医薬品」で、日本では限定的な疾患にしか使用できません。しかし、栄養学的な用途にも幅広く活用されることが期待されています。
グルタチオンの働きとしては抗酸化作用(活性酸素の除去)とデトックス作用です。それらにより以下の効果効能があると報告されています。
- 活性酸素の除去作用(抗酸化作用)
- デトックス作用
- 強肝作用
- 発がんの抑制作用
- アンチエイジング作用
- 美肌作用
- 肺機能の強化作用
- ストレスの改善
- 放射線障害の予防
- 脳卒中、虚血性脳疾患の予防
- 不妊の改善
- 血管の若返り
- 更年期障害の予防
- 白内障の予防
- アレルギーの予防
- 糖尿病の予防
- 関節炎の予防
- 環境汚染障害の予防
などです。
先ほど説明しましたがグルタチオンは「処方箋医薬品」で、日本では法律上、医師のみが処方できるものです。ですから日本では事業者がサプリメントとして販売することはできません。とはいえ、インターネットで海外から購入することはできますが(笑)。「そうか、グルタチオンはいいのか!日本で売っていないのであれば、すぐに海外からインターネットで買おう!」と思ったあなた、慌てて買わないでくださいね。日本で流通しているグルタチオンの注射剤は有効で即効性もあります。しかし、医薬品の錠剤や大半の海外製サプリメントは???ですね。以前に「医療用サプリメント」というタイトルでブログを書きましたが、その最たるサプリメントの一つがグルタチオンサプリメントです。自分が勧めるグルタチオンサプリメントとインターネットで流通しているグルタチオンサプリメントには雲泥の差があるので、インターネットをみてご自分で選んで購入しても時間とお金の無駄です(笑)。
今回はグルタチオンの話のプレリュード(序曲)です!グルタチオンは当院では今、多くの患者様に使用して効果を実感していただいています!点滴して、帰路にはもう効果を実感すると喜んでいる方もいらっしゃいます。さて、どういうことに使っているのでしょうか?次回以降のお楽しみに!
参考文献
「グルタチオンの効用 驚異のアミノ酸・未来の薬効食品」 ヘルス研究所
「システインペプチドともいわれるグルタチオン」 ヘルス文庫